

メディカルアイの「診療会議」では、開業医が診療に専念できる環境を整備するためのより良い方法を開業医の皆様とともに考えていきます。
このところ私は、ネット型カルテサービス“医歩ippo”のご紹介や導入支援などで、立ち上げ期から発展期まで、段階の異なるさまざまなクリニックの先生方とお話しする機会があります。その際に「(病院ではなく)クリニックだからこそ求められるサービス」についての声が寄せられます。今回はそれを、私なりに整理してみました。
「診療会議」で実施したアンケートやヒアリングの結果をもとに整理したところ、開業医の先生方の悩みのトップ3は、「スタッフの雇用」、「集患」、「患者さんとのコミュニケーション」でした。どれも人間関係にまつわる課題です。勤務医時代であれば、院内の専門部署・専門家が対処してくれた問題ですが、開業すればすべて自分で対応しなければなりません。そのために、自分なりの医療を行いたいはずなのに、いつのまにか時間が足りない、となってしまうケースが多く見られます。このように一連の課題は、先生方にかかる負担の重さに集約されるのではないでしょうか。
私たちは今、ネット型カルテサービスの提供に取り組んでいますが、本来の目標はこれにとどまりません。上記の課題に適切なソリューションをお届けすることをめざしています。
その一つが『メディカルクラークの派遣』です。私たちは現在、ネット型カルテサービス“医歩ippo”をご契約くださった先生のところに、メディカルクラークを派遣するサービスを提供しようと、ある企業と話を進めています。医歩ippoでは、多彩なテンプレートや定型文登録の利用を通じて先生の入力負担が軽くなるように工夫し、さらにユーザーの声に応じて日々改良を重ねています。しかし、効率的なシステムをご用意しても、物理的な負担が解消できない場合もあります。メディカルクラークは病院向けの話では、とお思いかもしれません。しかし患者数が多い場合や、患者さんとじっくり向き合う診療を実践する場合には、クリニックでもメディカルクラークの導入が選択肢に入ってくるのではないでしょうか。
さらに付け加えますと、私はこのメディカルクラークは、単なるカルテ入力者ではなく、院内の医事についても外部専門家と調整を図りつつ解決していける人としてイメージしています。カルテ入力時点で請求に関わるチェックを行えると、後々の確認作業を大幅に減らすことができます。そこで、そのような業務までメディカルクラークが行い、先生方や院内スタッフの負担を分散するわけです。この場合には、これまでの医事担当は、受付での「接客担当」へと役割が変わります。このように私たちは、単に「カルテ入力者」を採用するのではなく、院内業務の負担分散にもつながるメディカルクラーク派遣について検討しています。
また、別の機会に詳しくご紹介しますが、レセプトチェックについても新しい枠組みを併行して検討しております。
こうしたプランはまだ始まったばかりで、まだパイロットサービスの段階ですが、その進行状況もこの場でご紹介してまいります。私は、「開業するからにはすべて自分で、院内で」というスタイルにこだわらず、先生のお時間はできるだけ医療と経営に集中していただくことが大切だと思っています。“医歩ippo”に連なる多様なソリューションの開拓に取り組み、本格化させていく考えです。
さらに、次なる人材マネジメント策として、現在勤務されているスタッフのがんばりにクリニックとして報いたい、このまま長く勤め続けてもらえるようなインセンティブを導入したいという先生方には、今後新しいサービスを打ち出していこうと思っています。
先生方の大まかなニーズの傾向を知るために、以下のクィッククエスチョンをご用意しました。お答えいただければ幸いです。
次回のアップは5月28日です。本日のクィッククエスチョンの結果を共有した上で、人材マネジメントについて、考えを深めていきたいと思います。
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